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  遺言の書き方アドバイス

遺言をどうやって書いたらいいのか。

その方法は幾通りもありますが、ここでは以下の3つのステップで考えます。

Step2』の自分についての情報を洗い出す作業は、日常的に行っていることではないために時間がかかってしまうと思いますが、現時点での自分の想いを把握して遺言を書くという作業には欠かせません。また、今後の人生を考える上で、キャリアデザイン(進路設計)のキッカケになるものです。

あわてずゆっくりと、そして気軽にチャレンジしてみましょう!

Step1 遺言を書くための決まりごとを身につけます
 (基本事項、遺言の種類、遺言でできること・・・)
Step2
自分についての情報を洗い出し、整理します
 (残せる財産、死後の希望、やっておきたかったこと、大切な人・・・)
 
Step3
遺言を書いてみます
 (メッセージを添える、完成、これからの人生について・・・)
 



◎Step1 遺言を書くための知識を身につけます

遺言には何でもかけますし、書式が定まっているわけではありません。しかし内容に財産や身分上の行為、家族関係についての記載がある場合には、法的な力を発揮する文書になります。
 (ほとんどの場合がこれに当てはまります)
この、法的な力を発揮する文書にするときには、法律で定められたいくつかの決まりごとを守って書いてあることが、重要な要素になります。
Step1』では、遺言を書くための決まりごとを、ポイントを絞って簡単にご説明します。

      目 次

        (1)遺言と遺書との違い      (5)遺言でできること 
        (2)遺言ができる人         (6)遺言執行者とは
        (3)遺言の種類           (7)遺留分とは
        (4)相続人と相続分
    


(1)遺言と遺書の違い
   ・・・どちらも似たようなものだけど

     どちらも何でもかけることや書き方に制限がないことはおなじですが、遺言の場合は、いくつかの
     決まりごとを守って書くことによって、法的な力を持つ文書になることが大きな違いです。
     遺書(いしょ)は死を決意してから書くものですが、遺言は違います。
     遺言を書くときというのは、特に目前に死が迫っている場合などではありません。
     ですから、遺言を書くために整理した『自分についての情報』を良く見つめることにより、今後の人
     生をどう生きていくかについて、正面から向き合い、本気で考える良いキッカケになるのです。

       ・遺書 ・・・ これから死ぬためのもの
       ・遺言 ・・・ これから生きるためのもの

     大きな違いです。


(2)遺言ができる人
   ・・・法律では、法的な力を持つ遺言を書くことができる人を、次のように定めています。
     
     満15歳以上になったら誰でも遺言ができる。
     そして物事の意味を理解して判断する能力があればよい。
     遺言は一人で行なう。    とされています。

    ・後見制度では判断能力の有無の度合いにより、成年被後見人・被保佐人・被補助人と3つ
     に分けられています。被保佐人と被補助人は健常者と同じく、成年被後見人であっても、一
     定の条件をクリアすれば、遺言はできます。
     
    ・二人以上の人が一つの遺言を共同で作成した場合は無効とされていますので注意が必要
     です。
                                                      目次へもどる

(3)遺言の種類
   ・・・主な遺言には3つの種類があります。

     ・自筆証書遺言−−自分で手書きし、自分で保管するという、一番簡易で安価な方法
     ・公正証書遺言−−費用はかかるが法的な力を存分に発揮できるもの。一番確実なのはこれ。
     ・秘密証書遺言−−文字通り内容が秘密になる。自筆でなくてもよいというメリットもあるが、
                   実際にはほとんど利用されていない。(遺言全体の0.2%以下)

       ※この他にも、死の危険が迫ったときの「特別方式の遺言」というものがあります。

 ==各種類の違い、長所と短所は表の通りとなっています==   青文字(長所) 赤文字(短所)
  自筆証書遺言 公正証書遺言 秘密証書遺言
日付と署名 自筆で記入 必要 必要
押印 必要 必要 必要
誰が書くか 必ず本人 本人が口述したものを公証人が筆記する 誰でもよい
証人(立会人) いらない 証人二人以上 証人二人以上
家裁の検認は? 必要 いらない 必要
保管の方法は? 本人または第三者 公証人が原本保管 本人または第三者
作る手間は 簡単 公証人役場に出向く
公証人役場に出向く
誰かに知られる? 知られない 知られる
(公証人・証人)
知られない
(作成した事は知られる)
費用 かからない 公証人の手数料
証人への謝礼
公証人の手数料
証人への謝礼
隠匿・変造・紛失・偽造される可能性 危険がある なし 危険は少ない
内容が無効になる可能性 ある なし ある

     
     確実性から行くと公正証書遺言がダントツなのですが、費用も手間もかかります。
     ですから遺言専門館では、まずは自筆証書遺言での作成をお勧めします。
     遺言は書き換え自由なので、その後納得の行くまで内容を見直し、最後に公正証書遺言にして
     確実な遺言を残しておきます。
                                                      目次へもどる

(4)相続人と相続分
   ・・・遺言があれば、多少の制約があれど自分の思った通りに財産を分けることができるのですが、
     もし遺言がなかったときは、どうやって分けられるのでしょう。

     亡くなった人の財産を引き継ぐ人を相続人といいます。
     この相続人には誰でもなれるというものではありません。民法で次のように決まっています。

     亡くなった人の
      ・配偶者は常に相続人となります
      ・配偶者以外の第一順位は 子供
      ・     〃   第二順位は 直系尊属(両親、祖父母等)
      ・     〃   第三順位は兄弟姉妹                となっています。

   ※ 配偶者はきちんと婚姻届を出し戸籍に記載されている配偶者であり、いくら別居をしていようが
     相続人になれます。反対に、いくら長い間一緒に暮らし愛し合っているとしても、婚姻届を出して
     いない配偶者は、相続人にはなりません。
     
   ※ 子供は法律上の子供であり、養子も含まれますし、亡くなった人が認知した婚外の子、妻のおな
     かの中にいる胎児も含まれます。

     では次に、財産を分けるときの割合はどうなるのでしょうか。
     これも法律で決まっています。

     ・配偶者しかいない場合は、配偶者がすべて(100%)相続します。
     ・配偶者と子供の場合は、半分ずつ分けます。
     ・配偶者と直系尊属の場合は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1です。
     ・配偶者と兄弟姉妹の場合は、配偶者が4分の3、兄弟姉妹は4分の1です。

      この割合を法定相続分といいます
                                                      目次へもどる

(5)遺言でできること
   ・・・遺言には何でも書けるのですが、法的な力を持つのはどんなことを記載したときなのでしょうか。

     ○財産の処分(分割)に関すること
      ・遺贈(相続人意外に財産を分けること)   ・遺言執行者の指定
      ・相続分の指定                  ・相続人の廃除
      ・遺産分割の禁止                 ・保険金受取受取人の変更
      ・遺産分割方法の指定              ・寄付行為

     ○身分上の行為、家族についてのこと
      ・未成年後見人の指定              ・未成年後見監督人の指定
      ・認知                        ・祭祀継承者の指定

     このようなことを記載すると、遺言は法的な力を発揮する文章になるのです。


(6)遺言執行者とは
   ・・・誰かが亡くなった後、相続は自動的に行なわれるわけではありません。相続人の誰かが手続きを
     すればよいのですが、簡単にはいかない物や相続人ではできない手続きがあります。
     それを解決するためには遺言執行者が必要なのです。

     ○相続人でもできるが簡単ではないもの
      ・土地、建物など不動産の売却や引渡し(相続のメインですが、手続きはなかなか複雑です)
      ・財団などの設立(寄付がある場合に発生しますが、こちらも簡単ではありません)
      ・借金の回収
      ・相続人どうしが財産分与で争ってしまった場合の調整・・・etc

     ○遺言執行者しかできないこと
      ・認知の手続き
      ・相続人の廃除や廃除の取り消し

     遺言執行者は家庭裁判所で選任してもらう他、遺言で指定しておくことができます。
     
     遺言執行者になったらその任務を行なうことはもちろんですが、財産目録を調整して各相続人に
     渡したり、その財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を持つ事になります

     法的に複雑な問題がある場合などは、遺言で専門家を執行人に指定しておくのが良いでしょう
     
                                                      目次へもどる

(7)遺留分とは
   ・・・遺言はいろいろなことを書いて置けますし、財産の分割方法や割合なども自由にかけます。
     しかし、あまりの唐突な遺言の場合は、もらえる権利があるはずなのに一銭ももらえなかった
     などと、身内が戸惑うことも出てきてしまいます。

     そこで法律(民法)では、兄弟姉妹を除く相続人には最低保障をつけました。それが遺留分です。
     遺留分、つまり最低保障はどれくらいかというと・・・

     ・配偶者または子供が絡む相続の場合は、法定相続分の2分の1
     ・直系尊属(両親や祖父母)のみが相続人の場合には、法定相続分の3分の1

     例えば、妻は子供達が面倒を見てくれるだろうから、子供達ですべての財産を分けてもらおうという
     遺言を残していた。しかし、いざふたを空けてみると誰一人として妻の面倒を見ようとする者がいない
     ことがわかった。、夫が死亡し稼ぎもなく、そして財産ももらうことができない妻は路頭に迷ってしまう
     ことになる。
     このような時、妻は自分の遺留分を主張し、財産を取り戻すことができるというわけです。



ここまでいろいろな決まりごとを見てきました。たくさんありすぎて覚えてない様でも、、いざ遺言を書くときには頭の隅のほうからおぼろげな記憶が湧き出てくるものです。

書くための決まり事はこの『Step1』にあるな、ということがわかって頂ければ、迷ったらその都度ここへ見に来ればいいですね。

『Step1』は知識のインプットでしたが、次の『Step2』はまったく反対のアウトプットに徹します。

遺言を構成するのはあなたの事、あなた自身についての情報が必要です。
あなたの人脈や財産、いろいろな人への想いや抱えている心配事、そして、もし死ぬことがわかってしまったらやっておきたいこと・今死んだら後悔することなどを一つ一つ書き出していくのです。

それができてしまえば、あとは遺言を書くだけです。

さあ、次へ進みましょう!
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第1章  遺言とは?
第2章  遺言が出来る人
第3章  どんな種類があるのか?
第4章  相続人と相続分とは  
第5章  遺言で出来ること
第6様  遺産の範囲
第7章  遺贈
第8章  遺言書の検認・開封  
第9章  遺言の執行と遺言執行者
第10章 遺留分
第11章 遺留分減殺請求権の行使
第12章 遺留分の放棄
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